バイオ次元獣・粘着ゴキブリの攻撃でファイヤーバズーカが使用不能となってしまったため、新兵器ビークスマッシャーの完成を目指すという小田切長官。それは、開発者である相沢博士が敢えて設計図を残さなかったために開発が中断されていた武器だったのでした。
博士の遺児・美加の潜在意識に隠されているという設計図をめぐるお話です。
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あまりにもダイレクトなサブタイトルに意識を持っていかれ、「ギャグ回かな……?」と思ってしまいそうですが、新兵器の登場とそれにまつわる相沢親子のエピソードが中心のお話。
前回までの戦隊内ひと悶着を乗り越えて友情を深めた竜と凱が、酒を酌み交わそうとするシーンなども含まれていて(出動要請のため中断してしまいましたが)、「この2人もここまで打ち解けたか~!」と感慨もひとしおです。
サブタイトルにもなっている粘着ゴキブリは、人語を喋らないタイプの怪人でしたが、自分たちを嫌い、殺し続けてきた人間への怒りと復讐心は尋常でない様子。攻撃を避ける際の動きの素早さや、突然飛ぶところ、そしてなにを思ったかこちらに向かって飛んでくるところがすごく本物っぽくて心がめちゃめちゃにかき乱されました。こいつにだけは出会いたくねぇ……。
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新兵器ビークスマッシャーの心臓部の設計図は、開発者の相沢博士が一人娘・美加の潜在意識に隠していました。平和を望む博士が武器を悪用されないよう、信頼のおける人物に託したということですが、博士の生前ずいぶんと寂しい思いをしていた美加は、父親の考えに否定的。それが障害となって、設計図を完全に思い出すことができません。
母親を早くに亡くしていたという美加なので、それに加えて父親も不在がちでたまに帰ってきてもそっけない、とあってはそりゃあ心も荒むでしょうよ……。相沢博士を立派な科学者だったと賞賛する竜に対して「科学者として立派でも、父親としては失格では?」と言う美加の、年の割に大人びた口調が全てを物語っているような気がしました……。
結局、美加が潜在意識の中で父親と和解したことで設計図を思い出し、ビークスマッシャーの完成につながるのですが、個人的には「そんなに簡単にわだかまりが解けるかな……?」と思わずにいられませんでした🤨時間の制限があるからと言ってしまえばそれまでなんですけれども……!
せめて、時折家に帰ってきたときの相沢博士が、ちゃんと美加と向き合って優しい言葉をかけているようなあたたかい回想シーンがあれば、もう少し展開をすんなり受け入れられたのかなぁ、とも思います。博士が娘を大切に想っていたことは間違いないでしょうから……。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます🥰